DataMesh、エンボディッド AI 向けデータ製品「DataMesh Robotics」を発表

「実行可能なインダストリアルデジタルツイン」により、エンボディッドAIのトレーニングを支援~ダイナミックなビジネスシミュレーション、産業レベルの合成データ、強化学習における報酬設計機能を統合~

2026年1月15日、DataMesh はエンボディッドAI向けデータ製品ソリューション「DataMesh Robotics」を正式に発表しました。本ソリューションは、製造業およびインフラ施設を主な対象とし、ロボット本体メーカーやロボットアプリケーション開発チームに向けて、インダストリアルシーンのモデリング、物理プロパティおよびセンサーのシミュレーション、フォトリアルなビジュアルの生成、大規模な自動正解ラベリング(Ground Truth)までをワンストップで提供します。

さらに、エンボディッドAIのトレーニングにおける重要な課題である、インダストリアルタスクの目標および報酬信号の定義と設計に対して、実運用可能な手法と納品仕様を提供します。

市場に存在する多くのデジタルツインが、静的な3次元可視化やデータの重ね合わせに留まる中、DataMesh の中核的な強みの一つは、ビジネスシミュレーション機能を備えた「実行可能なデジタルツイン(Executable Digital Twin)」を構築できる点にあります。

DataMesh のデジタルツインプラットフォーム「FactVerse」では、製造現場のデジタルモデルは静止したものではなく、自動運転シミュレーターに近い形で「動作可能な環境」として実現されています。オブジェクトの移動、プロセスの推進、イベントの発生、ロジックの実行を可能にすることで、このダイナミックなシミュレーション機能は、DataMesh Robotics が実際の製造現場の運用実態に近いトレーニングデータを生成し、複雑なインダストリアルタスクに対して、より明確で安定的な報酬定義の基盤を提供することを可能にします。

▲FactVerse では、現実の実体に相当する「物理属性」を自由に設定可能です。

DataMeshはこれまで Gartner のインテリジェントシミュレーションに関する複数の調査レポートにおいて、「テックイノベーター」および「サンプルベンダー」に認定されてきました。これらの評価は、DataMeshがインテリジェントシミュレーションおよび空間情報を活用したデジタルツイン分野において、継続的な研究開発投資と技術革新を重ねてきたことを示しています。

DataMesh Roboticsは、主流のロボットシミュレーション・トレーニングエコシステムとの互換性を実現しています。インダストリアルデジタルツインのアセットおよびデータを、NVIDIA Isaac Sim/Omniverse を含むシミュレーション・トレーニング環境へ出力できるほか、企業の既存ロボット開発・納品プロセスとも統合できます。

▲デジタルツイン・データのIsaac Simへの取り込みとエンボディードAIトレーニングの実施

現在、DataMesh Roboticsはプロトタイプの検証を完了しており、通信事業者やデータアノテーション事業者を含む企業パートナーと連携しながら、パイロットプロジェクトを推進しています。

ハイライト

  • 実行可能なインダストリアルデジタルツイン(ダイナミックビジネスシミュレーション):シナリオは単なる静的モデルに留まらず、製造現場の運用環境を実行・進行可能な形で再現。オブジェクト / プロセス / イベント / ビジネスロジックのシミュレーションに対応。
  • インダストリアルクラスの合成データ大規模生産:マルチモーダルデータ生成と自動正解ラベリングにより、パーセプション、ナビゲーション、オペレーション、評価を包括的にサポート。
  • 「不可視データ」を活用したトレーニング対応:温度、圧力、プロセス / ビジネスロジックの状態などの変数を出力し、インダストリアルタスクの学習および検証を強化。
  • インダストリアルタスク報酬設計(トレーニング課題への対応):多段階かつ高い安全制約、部分的観測、業種特有の意味論を伴うタスクに対し、目標 / 成功条件 / 報酬信号の設計および納品を提供。
  • 主流エコシステムおよび企業導入への高い適応性:NVIDIA Isaac Sim/Omniverse などの環境と連携し、オンプレミス / プライベートクラウド / ハイブリッドクラウド構成や、企業レベルのガバナンス要件に対応。

DataMesh Robotics が選ばれる理由:製造業向けエンボディッド AI に欠けているのは「ダイナミックな現場シミュレーション環境」

製造現場におけるデータ活用の課題は、単に「収集とアノテーションのコストが高い」ことに留まりません。製造業のタスクは多くの場合、時間の経過とともに状態が変化し、ビジネスプロセスによって推進され、複数のイベントを契機として進行します。ロボットに求められるのは、物体を認識する能力に加え、制約条件の下で「待機→回避→接続→操作→確認→退去」といった一連の動作を実行することです。このようなタスクは、本質的にダイナミックな環境を前提としており、従来の静的なデータやシミュレーションでは十分に学習させることができません。

市場に存在する多くのデジタルツインソリューションは、静的な3次元モデルにリアルタイムデータを重ね合わせて可視化する用途に偏っており、「見ることはできても、動かすことは難しい」状態にあります。一方、DataMesh のデジタルツインは「実行可能性」を中核に据え、以下の特長を備えています。

  • オブジェクトの動的変化:設備、扉・キャビネット、パレット、車両、人員、物流ユニットなどが、現場の状況に応じて変化する挙動を再現。
  • プロセスの自動推進:生産、運用、点検、メンテナンスなどのプロセスを、事前に定義したルールに基づいて自動的に推進。
  • イベントトリガーのシミュレーション:アラートの発火、ワークオーダーの発行、設備状態の変化、操作ステップの完了 / 失敗などのイベントを再現。
  • ロジックに基づく環境駆動制御:ビジネスルールやビヘイビアーツリーに基づき、環境の変化やタスクの成否を判断・制御。

これにより、DataMesh Robotics はシミュレーション上で「実際に運用されている製造現場」を再現し、稀な運用状況(ロングテールケース)や安全制約下での複雑なタスクを体系的に網羅しながら、データ生成からトレーニング、評価までを一貫して回す閉ループを構築できます。

DataMesh Robotics が提供する価値:ダイナミックビジネスシミュレーションを基盤とした、トレーニングデータおよびタスク定義のワンストップソリューション

DataMesh Robotics はロボット開発の主要なプロセスに対応し、シーン構築からデータ生成、さらにトレーニングと評価を循環させる閉ループまでを一貫して支援します:

1)インダストリアルシーンのモデリング

  • CAD/BIM データ、施設構造、設備アセットモデル、現場の制約条件を基に、インダストリアルクラスの高精度なシーンを構築。
  • シーンおよびアセットのバージョン管理に対応し、チームでの協業や実験結果の再現性を向上。
  • ビジネスシミュレーション機能と連携することで、「レイアウトを見るだけでなく、実際に動かせる」ダイナミックなシーンを実現。

2)ダイナミックビジネスシミュレーション

  • ビジネスルールやビヘイビアーツリーに基づき、時間の経過に伴うシーンの動的変化を自動的に駆動。
  • プロセスの推進、イベントの発生、ロールやオブジェクト間のインタラクションに対応。
  • 多段階のインダストリアルタスクに対し、検証可能で再現性の高い運用環境を提供。
  • 多段階にわたる産業タスクに対し、検証可能かつ再現性の高い実行環境を提供します。

3)物理プロパティとマテリアルの設定(Physics & Materials)

  • 質量、摩擦係数、弾性、関節の可動範囲、各種制約条件などの物理プロパティを詳細に定義。
  • 把持、挿入・組立、扉 / キャビネットとの接触操作、機器同士の接続など、接触を伴う複雑な操作タスクをサポート。

4)マルチモーダルデータ生成と自動正解ラベリング(Synthetic Data + Ground Truth)

  • プロジェクトの要件に応じて、フォトリアルなビジュアルデータおよびマルチモーダルデータを生成。
  • セマンティック / インスタンスセグメンテーション、2D/3D バウンディングボックス、インスタンス ID、デプスマップ、キーポイント、ポーズ、軌跡、シーンメタデータなど、一貫性と再現性を備えた正解ラベルを自動生成。
  • あわせて、「不可視データ」(温度、圧力、プロセス/ビジネスロジックの状態などの変数)を出力し、モデルが製造現場の実際の条件や制約をより深く学習できるよう支援。

5)インダストリアルタスクの目標および報酬設定

製造現場における報酬目標の定義は、シミュレーション環境そのものの構築以上に難易度が高い場合が少なくありません。厳しい公差要求、多段階にわたるプロセス、厳格な安全制約、部分的な観測、さらには業種特有のルールが重なることで、目標が曖昧になったり、報酬設計が不十分になったり、結果としてトレーニングが不安定になるといった課題が生じます。

DataMesh Robotics は、ローコード&設定ベースの機能により、これらの課題を解決します:

  • 業種特有のルールに基づく目標と成功条件の定義(ポーズの公差範囲、接触イベントの検出、力 / トルクの閾値設定、ツールの噛み合わせ状態、点検項目の達成度など)
  • 報酬シェイピング、トレーニングの終了条件、カリキュラムラーニングの設計により、トレーニングの安定性と効率を向上。
  • 報酬設定とシーン / タスクの変更を連動させたバージョン管理:実験結果の再現、デバッグ、比較検証を容易に実施可能。
  • 目標指向トレーニングフレームワークに対応した納品形式(設定ファイル、スクリプト、環境のカプセル化など)を提供し、既存のトレーニングパイプラインへの導入を簡素化。

6)主流のシミュレーション・トレーニングエコシステムとの統合

DataMesh Robotics は、最新のロボット開発テクノロジースタックとの連携を重視しています。シーン、アセット、各種データを NVIDIA Isaac Sim/Omniverse/CosmosやMuJoCo など、後段のトレーニングおよびシミュレーション環境へ出力でき、既存の開発・学習パイプラインとスムーズに統合することが可能です。

製造業から先行展開し、段階的に汎用化へ

DataMesh Robotics の主な対象ユーザーは以下の通りです。

  • ロボット本体メーカー:製造現場への導入を加速するため、タスク別のトレーニングデータ基盤や検証システムを迅速に構築したい企業
  • ロボットアプリケーション開発チーム/納品チーム:特定の顧客現場の要件に応じて戦略を柔軟かつ迅速に調整し、希少な運用状況(ロングテールケース)にも対応しながら、納品品質と運用安定性を高めたいチーム

代表的な適用分野には、製造現場のワークステーションにおける操作・組立作業、倉庫や工場内のナビゲーションおよび障害物回避、施設の点検・メンテナンス、危険または立ち入りが制限された環境での訓練、さらには複数ロボットが協働するタスクのモデリングおよび評価などが挙げられます。

DataMesh Robotics は、実行可能なインダストリアルデジタルツイン(ビジネスシミュレーション)を基盤に、製造現場を静的な3次元可視化から、プロセス・イベント・ビジネスロジックに応じて動的に変化するトレーニング環境へと進化させます。さらに、大規模な合成データ生成能力と目標・報酬定義機能を組み合わせることで、製造業タスクにおける成功判定やプロセス品質評価といった、実装難易度の高い領域を標準化・製品化します。これにより、ロボットの生産、点検、運用管理における導入イテレーションの高速化と、安定した立ち上げを体系的に支援します。

オープンパイロットプログラムの推進

DataMesh Robotics はプロトタイプの検証を完了し、通信事業者やデータアノテーション事業者を含む企業パートナーと連携しながら、パイロットプロジェクトを推進しています。今後は、インダストリアルアセットライブラリーやタスクテンプレートの拡充、ダイナミックビジネスシミュレーションの高度化および再利用性の強化に加え、主流のシミュレーション・トレーニングエコシステムとの互換性向上や、納品能力のさらなる充実を継続的に進めていきます。


「エンボディッドAIが製造現場に本格的に導入される上での最大の課題の一つは、トレーニング環境が実世界のように変化しない点にあります。我々は、インダストリアルクラスのシーンや合成データを提供するだけでなく、実行可能なビジネスシミュレーション機能を組み込むことで、環境がプロセスやイベントに応じて動的に変化する状態を実現しています。さらに、その基盤の上で報酬目標を明確に定義し、トレーニングの閉ループを構築することを目指しています。DataMesh Robotics は、ロボット開発チームにとっての製造業向けトレーニング環境およびデータエンジンとなり、顧客がより迅速かつ安全、確実にロボットのイテレーションと現場導入を進められるよう支援していきます。」

DataMesh CEO 李劼氏

連携に関するお問い合わせ

DataMesh Robotics は、ロボット本体メーカーおよびアプリ開発企業に対し、パイロットプログラムへの参加申し込み、並びに連携ソリューションの共同開発提案を受け付けています。

お問い合わせ先:robotics@datamesh.com

メディアお問い合わせ

ブランド・メディア連携に関するお問い合わせ:pr@datamesh.com

製品・ソリューションに関するお問い合わせ:robotics@datamesh.com

DataMesh について

DataMesh は、製造業およびインフラ施設管理に特化した、デジタルツインおよび空間インテリジェンス技術のプロバイダーです。長年にわたり、計画、監視、トレーニング、メンテナンスといった現場の重要な業務プロセスに注力し、DataMesh FactVerse プラットフォームを基盤として、高い再現性を備えたデジタル技術により、現場の運用効率と安全レベルの向上を支援してきました。

DataMesh Robotics は、エンボディッド AI の時代に対応するために DataMeshが開発したデータ製品ソリューションです。「実行可能なインダストリアルデジタルツイン」を中核とし、ロボットのトレーニングおよび評価に必要となる、インダストリアルクラスのシーン、データ、タスク定義機能を包括的に提供することを目的としています。

NVIDIA、Omniverse、Isaac、Cosmos は、NVIDIA Corporation の商標または登録商標です。DataMesh Robotics は独立したソリューションであり、関連するエコシステムとの互換性および統合を目的として設計されています。

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