7月9日〜11日、幕張メッセにて「第37回 ものづくり ワールド [東京]」が開催され、世界各国から1,800社以上の企業が出展し、製造業の最新技術・製品を一堂に披露。65,000人を超える来場者が詰めかけ、活発な情報交換が行われました。
DataMeshはKDDIと共同で本展示会に出展し、デジタルツイン、XR、AIなどの先端技術を活用した製造業向けソリューションを多数紹介。DataMeshのプラットフォーム「FactVerse」に基づく実践的なユースケースを通じて、計画立案、モニタリング、教育、保守といった各業務領域における現場力の向上を提案しました。特に、日本が直面する少子高齢化による人材不足やコスト増といった課題に対し、生産性向上という視点から注目を集めました。
展示ブースでは、XRを活用した設備操作トレーニングや、NVIDIA Omniverseと連携したデジタルツインによる設備・施設管理のソリューションが高い関心を呼び、多くの来場者が体験・意見交換を行いました。

XRトレーニングで新人即戦力化を加速
人材不足時代の生産性強化を支援
日本の製造業は、熟練技術者の減少や若手人材の即戦力化の難しさなど、人手不足の深刻な課題に直面しています。従来のOJTや“徒弟制度”では教育効率が低く、コストも高いため、生産性や品質の低下を招く懸念もあります。こうした背景から、XRを活用した新人教育が注目を集めています。
DataMeshの展示では、来場者が「Meta Quest 3」を装着し、3Dガイドに従って仮想空間内で設備操作を学ぶ体験が提供されました。実機と比べて安全性が高く、講師や訓練施設への依存も少ないため、教育コストの削減にも貢献します。また、ノーコードで教材を作成・更新できるため、現場ニーズに合わせた迅速な対応が可能です。

既に多くの導入実績もあり、たとえばNEXCO東日本では、高速道路の維持管理に関する3D教材を開発。通常は目に見えない構造や信号経路を可視化することで、教育効果を大幅に向上させています。太古コカ・コーラでは、バルブの分解・組立手順をXRでトレーニングすることで、ダウンタイムを短縮し、飲料数百万本分の生産性向上を実現しました。
デジタルツインによる設備・施設管理の高度化
突発的な停止を予測・回避へ
製造業において、設備の安定稼働は生産性維持の鍵となります。しかし実際には、情報の分散、状態の見えにくさ、予兆検知の未整備など、多くの課題が存在し、突発的な設備停止によって大きな損失を生むこともあります。
DataMeshの「FactVerse」プラットフォームは、IoT・ERP・MESなど複数のシステムを統合し、3D可視化による設備のリアルタイム監視と集中管理を可能にします。さらに、AIによる異常検知と自動アラート機能によって、事後対応から予防保全へと移行し、計画外停止のリスクを大幅に削減できます。また、ARとAIを組み合わせた「エキスパートアシスタント」を通じて、現場での保守・点検作業の迅速化も実現。

さらに、FactVerseの強力なシミュレーション機能により、ラインレイアウトや物流設計の仮想検証が可能となり、無駄なトライ&エラーを削減できます。
NVIDIA Omniverseとの連携によって、デジタルツインのリアリティと精度はさらに進化。今年のCOMPUTEX(台北国際コンピュータ展)では、NVIDIAのジェンスン・フアンCEOがFactVerseとの連携事例を紹介し、製造業におけるAI×デジタルツインの可能性が世界的に注目を集めました。
今後の展望:スマート製造の実現に向けた協業の深化
DataMeshとKDDIは、今後もパートナーシップを強化しながら、デジタルツイン・XR・AIなどの先端技術をより多くの製造現場へと展開していきます。設計・計画から現場実行まで、製造業の全工程をカバーする形で、効率的かつ持続可能なソリューションの共創を進め、企業の生産性改革とスマートファクトリーの実現を力強く後押ししてまいります。