産業向けデジタルツインは、従来の「可視化」による状況把握を超え、「実行・予測・検証」を実現する高度なシステムへと進化しています。現場判断の高度化、プロセス最適化、業務の意思決定支援に貢献するだけでなく、産業シーンにおける AI モデルの学習・検証を行う重要な基盤として活用されています。
今年、DataMeshは「FactVerse AI Agentプラットフォーム」ならびに「DataMesh Roboticsソリューション」を順次リリースしています。前者は産業分野のスマートな意思決定最適化を実現するため、AI機能を業務プロセス全体に深く浸透・統合させます。後者は物理シミュレーションと身体知能トレーニングに特化し、フィジカルAIの実際の産業現場への導入・実用化を加速させます。
DataMeshのコアプロダクトであるデジタルツインプラットフォーム「FactVerse」は、継続的に機能進化を遂げています。この度、バージョン2606において同プラットフォーム搭載の複数アプリケーションの機能アップデートを実施しました。施設運用保守、シミュレーション計画、産業向けトレーニング・デモンストレーションといった実務シーンを中心にユーザービリティを大幅に向上させ、デジタルツインとAIの機能を日常の業務運用によりスムーズに融合させます。
DataMesh Inspector:現場可視化を加速
大規模キャンパスや工場、複雑な設備施設の運用保守現場では、情報が点在しているため異個所の特定に手間がかかり、現場環境が複雑化するほど、スタッフ間の連携・情報共有コストが膨大になります。
今回のアップデートでは DataMesh Inspector の統一空間ビュー機能を一層強化し、運用保守担当者が現場状況を直感的に把握し、トラブルポイントを迅速に特定できるようにしました。
監視画面を 3D シーンに統合
従来別々に管理されていたCCTVカメラの配置位置、ライブ映像、監視対象エリアを、全て3Dサンドボックス上に集約表示できるようになりました。これにより運用保守担当者は、監視システムとデジタルツイン基盤を画面切り替えすることなく、一つの統合空間で現場確認・状況検証を行えます。
アラート発報や設備異常が検知された際も、該当エリアを瞬時に特定し、周辺カメラのライブ映像から現場の状況、環境変化、及び波及影響範囲を速やかに把握・確認可能です。

▲ 3D 空間上で監視映像を確認可能
3D 自由閲覧と 2D 平面図ナビ
DataMesh Inspectorは、2D平面図によるスピーディーな位置検索に対応するほか、一人称視点で3D空間を自由に閲覧できる機能を備えています。
担当者は現場に行かなくても、施設内の通路を辿りながら設備の位置・詳細情報や周辺環境を確認可能です。さらに、新たに配属されたスタッフは3D空間閲覧を活用することで、巡回ルートを事前に把握でき、現場業務の早期習熟につなげられます。

▲ 2D マップから位置特定し、3D 閲覧へ遷移

▲ 3D 閲覧中に設備をクリックし、詳細情報を確認可能
システム別閲覧、ワンクリック対象強調表示
大規模施設には通常、空調・防災・電気・配管など複数の設備システムが内包されています。各システムが空間的に複雑に入り組み、膨大な数の機器が設置されているため、日常の巡回点検やトラブル調査に多くの負担が生じています。
今回のアップデートにより、DataMesh Inspectorはシステム単位での表示切り替えに対応しました。点検対象のシステムを選択するだけで、該当する設備が3D空間上で自動的に強調表示され、各設備の配置・配線経路・関連機器の関係性が直感的に把握できます。さらに、システム単位の分析ダッシュボードを同時に表示することで、設備の稼働状況を俯瞰的に把握し、効率的な保守業務を支援します。

▲ システム別表示
資産・アラート管理の最適化
資産・アラート管理機能では、カスタムフィールドの設定、条件フィルター、並べ替えに対応しています。また、PC版・モバイル版双方の機能を同時に最適化し、運用保守チームが重要設備や未対応のアラートをより迅速に抽出・確認できるようになり、業務効率の向上を実現します。

▲ アラート管理:フィルター・並べ替え機能
FactVerse Designer:編集・シミュレーション操作性の継続的最適化
FactVerse Designerはノーコード編集機能を搭載し、デジタルツインシーンの制作やシミュレーション環境構築のハードルを大幅に引き下げます。ユーザーは視覚的な操作だけで、生産ラインや倉庫などの各種現場シーンを短時間で構築可能です。
今回のアップデートでは、編集操作性とシミュレーション機能の両方面から改善を重ね、ユーザー体験のさらなる向上を図っています。
複雑な搬送ラインも簡単構築
搬送ラインは生産・物流シミュレーションにおける代表的な基本要素です。今回のアップデートでは、ベルトコンベアの編集機能を強化し、複数区間の連続描画や曲線経路作成、高低差設定に対応し、1 対 N の複数分岐接続も可能になりました。
これにより仕分けライン、組立ライン、倉庫搬送経路を構築する際に、カーブ、昇降、複数分岐など複雑な経路もスムーズに編集可能になり、実現場のレイアウトを高精度かつ短時間で再現できます。

▲ コンベアを連続描画し、曲線経路も自在に編集

▲ コンベアの高さも自在に調整可能
倉庫物流シミュレーション機能を充実化
倉庫や製造現場の物流シミュレーションにおいては、資材の搬送ルートだけでなく、荷役・吊り上げ・入出庫といった実際の作業動作を再現することが重要となります。
今回のバージョンアップでは、FactVerse Designerに門型クレーンツールを新規搭載し、荷役・吊り上げ作業のシミュレーションに対応しました。さらに入出庫のビヘイビア機能を強化し、これらの機能を組み合わせることで、倉庫・製造物流の一連の業務フローをよりリアルに再現できるようになりました。

▲ 門型クレーンツールによる物流シミュレーション
また、新たに測定ツール、重力シミュレーション、範囲検知機能を搭載し、寸法測定・積載検証・荷役シミュレーション・高さ制限チェックが行えるようになりました。
例えば、異形鋼材の積載・搬送レイアウトを検討する際に、資材の配置状況や重力の影響を事前に検証可能です。寸法超過・荷崩れ・干渉・衝突といった各種リスクを事前に回避でき、現場トラブルの防止に貢献します。

▲ 貨物の高さを測定

▲ 重力シミュレーションによる積載検証

▲ 仮想検知エリアによる境界逸脱・衝突リスクのリアルタイム検出
デジタルツイン外観編集の操作性向上
現場プロジェクトでは、ポンプ・モーター・ファン・搬送機器といった同仕様の機器であっても、配置エリアや作業ステーションごとに個別の管理番号が付与されるケースが多く見られます。 FactVerse Designer ではデジタルツインの外観を変更したり銘板ラベルを追加したりできるようになり、機器の諸属性や操作反応ロジックは一切変わらず保持されます。これにより同型機器を個別に識別しやすくなり、シーン編集作業の手間を大幅に削減できます。
DataMesh Director:XR コンテンツ作成と現場共有が簡単に
今回のアップデートでは、DataMesh Director において XR コンテンツ制作、モデル加工、現場プレゼンテーションの各体験を大幅に改善し、複数の機能最適化を実施しました:
- DataMesh OneにQRコードからシナリオを開く機能を新設しました。アカウントへのログインなしで、コードを読み取るだけでコンテンツを閲覧可能です。 現場デモの際に生じがちなログイン操作、ファイル検索、権限確認といった手間やトラブルを削減。展示会、顧客提案、社内研修などあらゆる場面でスムーズに進行できます。
- DataMesh Studioでは設定画面とローカルシナリオの読み込み手順を見直しました。 テキスト、タグ、ボタン、IoT データ表示パーツそれぞれに背景画像をカスタマイズできるようになり、コンテンツ作成や情報表示の自由度が大きく広がります。
- DataMesh Importerにモデル原点と重心の自動補正機能を搭載。ファイル取り込み後の細かい手動調整が不要となり、すぐにシーン作成やデモ制作に取り掛かれます。
実業務現場に寄り添った機能最適化
今回の FactVerse アップデートは、実際の業務現場に軸足を置き、製品機能と操作性を継続的に磨き上げています。 保守担当者は現場状況を速やかに把握でき、エンジニアはシミュレーションフローの作成・検証を効率的に実施可能、研修やデモ担当チームもコンテンツ制作・共有を手軽に行える環境を実現しました。
今後も DataMesh は、デジタルツインの活用障壁を引き下げ続けます。企画立案・シミュレーション・現場研修・設備保守・経営判断といった各業務フェーズにおいて、企業の実質的な価値創出を支援します。
並行して、フィジカル AI 時代に対応したデジタル基盤の構築を進めます。これによりデジタルツインは、単なる運用判断支援ツールを超え、フィジカル AI の実行環境・検証基盤へと進化します。
今すぐ体験しましょう!
無料トライアルをお申し込みいただくと、最新版 DataMesh FactVerse プラットフォームをご利用いただけます。 産業向けデジタルツインソリューションの詳細については、メールアドレス service@datamesh.com までお気軽にお問い合わせください。